写真歴20年を越え写真展を多数開催。写真集も出しているアラカン女性フォトグラファーが「次にやるべきは海外フォトコンテストへの挑戦」だとこちらの第5章に書きました。今回はそのフォトコンへの応募方法を具体的に解説します。1枚だけを応募するなら無料ですし、世界300万人以上のオーディエンスが閲覧します。入賞者とファイナリスト、応募者の一部は世界の出版物とメディアで報道され、まさに華々しい海外デビューとなります。
最も多くの人に見てもらえて、コンテスト以外にたくさんの特典があるからおすすめなフォトコン”Lens Culture”
世界的なフォトコンテストは私が調べただけでも50以上はあります。
日本にいながらネットで申し込めるので、60歳までに写真作家として海外デビューしたい方には大変おすすめです。
その中でも、著名で挑戦すべきなのは以下の12のフォトコンテストでしょう。
⚫︎Lens Culture
⚫︎International Foto Awards
⚫︎Sony World Photography Awards
⚫︎Monochrome Photography Awards
⚫︎The Hopper Prize
⚫︎Xposure International Photography & Film
⚫︎Tokyo International Foto Awards
⚫︎New York Photography Awards
⚫︎Annual Photography Awards
⚫︎Canarian Photo Awards
⚫︎London Photography Awards
⚫︎Best Portfolio
そして、その中でもいちばんおすすめなのは、Lens Cultureです。
その理由はいくつかありますので、まとめてみました。
などなど、ほかにも有料ですが、ポートフォリオレビューを受けることもできます。
つまりは、コンテストに入賞しなくてもとても素晴らしい特典がたくさんあるということ。それがいちばんにおすすめする理由です。
世界最大の写真専門のオンラインマガジン! 世界中のキュレーターや写真のスペシャリストも見ている
では、そもそも”Lens Culture”とは何か。
ただのフォトコンテストのサイトではありません。
オランダ・アムステルダムに拠点を置く『世界最大の写真専門のオンラインマガジン』です。
ということで、Lens Cultureのトップページを開いて、左から4つ目の”About Us”を見てみましょう。
ここに書いてあるように、フォトグラファーを応援することを目的としています。
わかりやすいように以下にまとめてみます。
Lens Cultureのミッションは「現代の写真の中から最も優れた作品を発見し、できるだけ多くの人と共有する」ことです。
世界中から現代の写真の才能を発見するためのプラットホームです。
フォトグラファーが成功するためには世界的に認識されるように露出することが不可欠です。
そのために私たちは素晴らしい写真を共有して、報酬を提供することを目的としています。
15年以上に亘って、世界160カ国からの300万以上のフォトグラファーや写真を審査するスペシャリストたちとグローバルなオンラインを構築してきました。
私たちは、フォトコンテストやNYでの展示、フェスティバルでの上映、書籍を通じて、フォトグラファーたちがキャリアアップする機会を提供できることを誇りに思っています。
オンラインマガジン、投稿のレビュー、無料のダウンロード可能なガイドを通じて、私たちは作品制作のためのインスピレーション、アドバイスを提供しています。
私たちの目指すゴールは、好奇心を持って積極的に活動するフォトグラファーたちが成功することです。
その下を見ていくと、OUR TEAMとして創始者やクリエイティブ・ディレクターやエディター、デザイナーなどが顔写真付きで紹介されています。
また、プルダウンメニューから”Jury Members”を開くと、これまでの審査員も紹介されています。
アメリカの3大アート写真美術館である”MOPA(Museum of Photographic Art)”の館長をはじめとして、ものすごい数のアート写真のスペシャリストたちが並んでいます。
それを見ただけで、世界最大の写真専門サイトであることが伝わってきます。
年間を通じてさまざまなコンテストが行われていて、どんな分野の写真でもほとんど応募可能
おすすめの理由の2つ目は、年間を通して「とてもたくさんの種類のコンテストが開催されている」ことです。
Lens Cultureのトップページを開いて、”Explore”をクリックして、プルダウンメニューの”LensCulture Discoveries”を開いてみてください。
すると、”LensCulture Competition Winners”が出てきます。
その下にある”Competition”の右端のプルダウンメニューを開くと、とてもたくさんのコンテストがあることがわかります。
Street Photography Awards(ストリート・フォト)、Critic’s Choice(評論家セレクト)、Portrait Awards(ポートレート)、Art Photography Awards(アート写真)、Black & White Photography Awards(モノクロ写真)、Summer Open、HOME ’21 International Photo Prize、Journeys(旅写真)、Exposure Awards(露光写真)、Visual Storytelling Awards(視覚的ストーリー)、Emerging Talent Awards(新進作家発掘)、Magnum Photography Awards(マグナムフォトと共催コンテスト)などなど……。
一年間に、5個くらいのいろんな分野のコンテストがあります。
それに加えて、年間アワードや審査員推薦などもあり、その数の多さに驚くと思います。
どんな分野のコンテストがあるのか、そして、どんな作品が受賞しているかわかるので、コンテストに応募する前に見てみることをおすすめします。
コンテストで獲得できるのはNYでの展示と賞金だけじゃない。それ以外のメリットがすごい
まずはコンテストの応募ページを日本語に変えましょう!
では、実際にコンテストの詳細について見ていきましょう。
まず、コンテストページを日本語に変えるところから説明します。
Lens Cultureのトップページを開いたら、右端のコンテンツ”Photography Awards”をクリックしてください。
すると、”Photography Awards”のページが開きます。右端の”English”のプルダウンメニューから「日本語」を選択してください。
すると、ページが日本語に変わります。
応募しただけで得られる特典がすごい! 4つものベネフィットがもらえる!
日本語に変わったら、ここからどんなフォトコンテストなのかを詳しく見ていきます。
今回は、”LensCulture Art Photography Awards 2024″の募集ページで解説していきます。
最初に、左端の「アート写真アワード」をクリックして開きます。
すると、以下のところに飛びます。
「アート写真アワード」ページのトップではなく、かなり下のほうの「応募者全員のベネフィット」というところが出てきます。自動的にここに飛ぶようになっています。
おそらく、Lens Cultureサイドでも最もアピールしたい部分なのだと思います。
私が数ある海外フォトコンテストの中でも、Lens Cultureを真っ先におすすめしたのは、これがあるからなんです。
入賞したり、ファイナリストに選ばれなくても、応募しただけで4つもの特典がもらえるのです。
コンテスト応募のみで「自分の作品発表の場」が世界最大の写真専門サイトにできる
世界最大の写真専門のオンラインマガジンかつ世界最大の写真専門サイトですから、4つの特典によって海外デビューの入り口に立てたということになります。
でも、とくに素晴らしいのは「Lens Cultureポートフォリオアカウント」を持てることです。
これは世界300万人以上が閲覧しているLens Cultureのサイトに、自分のホームページをつくれるのと同じです。
自分の専用の発表の場がLens Culture内につくられて、いつでも誰かに見てもらえるのですから……。
では、Lens Cultureポートフォリオアカウントの実際のページをご紹介しましょう。
こちらの記事の第5章で紹介しているサンフランシスコのKerry Mansfieldさんのページもありました。
右上の”Search”欄に名前を入れると出てきました。
これを見ると、彼女はEmerging Talent Awards 2014でWinnerになっています。
そういうことまでわかるのですから、ここにページをつくってもらえるということはかなりのステータスに繋がると思います。
私がディレクターをしているSAMURAI FOTOのメンバーもほとんどポートフォリオアカウントを持っていて、個人のページがあります。
こちらがMさんのページになります。
世界最大の写真専門のプラットホームに掲載されるのですから、すごいことです。
ただし、これには1つだけ条件があります。
それは、「シリーズ写真と5点以上のシングル写真の応募者」であることです。初回1点のみ無料の応募の場合にはポートフォリオアカウントはつくってもらえないので注意してください。
また、審査員に「高評価」をしてもらえれば、”LensCulture Discoveries”という紹介ページへ自動的に掲載されるので、それも世界的に活躍するための大きな第一歩となると思います。
また、” Editors’ Picks”に選ばれれば、コンテストの期間中にLens Cultureの編集者がコンテストギャラリーやインスタグラム、FaceBookで作品を発表してくれます。
これは作品を業界の関係者と熟練者、編集者、発行人、ギャラリー経営者、フェスティバルディレクター、クリエーティブディレクター、キュレーター、オンラインメディア発行人など、決定権を持つ主要人物へ作品が配布されることを意味します。
もちろん、これらは入賞者や審査員セレクト、ファイナリスト25名にも特典として付与されます。
審査員セレクト、ファイナリストは国際写真フェスティバルでの展示や報道機関でも披露される
入賞者のベネフィットもすごいですが、それよりも国際的かつ大々的にデビューできる”Jurors’ picks (審査員セレクト)”と”Finalist(ファイナリスト)”が手にできる特典から紹介していきましょう。
それは3つあります。
まず、① Lens Culture関係者への作品披露についてですが、審査員セレクトとファイナリスト25名に選ばれると、Lens Cultureのオンラインギャラリーに永久に掲載され続けます。
②の国際写真フェスティバルでの作品展示は、さまざまな国で開催されている国際写真フェスティバルでの作品披露です。
アメリカ、イギリス、イタリア、フランス、スペイン、日本、オランダ、オーストラリア、マレーシア、ハンガリー、セルビアなどです。
③国際報道機関への作品披露とは、世界の出版物とメディアで報道されることを意味します。
おもなメディアはBBC, The Guardian, The Washington Post, Internazionale, VICE, The Times of London, Huffington Post, Spiegel Online, The British Journal of Photography, The Telegraphなどです。
あなたの作品が世界中に広く披露され、一流の報道機関で扱われるのですから夢のようです。
入賞者のみが手にできるのは総額1万ドルの賞金とNYでの展示、ソロでの掲載
では、ここからは入賞者だけのベネフィットについて説明していきます。
これも3つあります。
①賞金総額1万ドルの内訳については、シリーズ写真賞の入賞者1位は3,500ドル、2位は2,000ドル、3位は1,000ドルになります。
シングル作品賞の入賞者1位は2,000ドル、2位は1,000ドル、3位は500ドルになります。
②ニューヨークでの展覧会は、ニューヨークのギャラリーで開催されるThe Photography Showでの展示です。
写真のイベントとして広く知られているため、何100もの有名ギャラリー、写真集や写真雑誌の発行人、コレクターが集うほか、展示会、座談会、アーティスト本のサイン会、キュレートイベントなどが行われます。
オープニングレセプションにはLensCultureのアーティスト、メディア、写真編集者、業界関係者が集まります。国際的なネットワークづくりをする絶好の機会です。
③LensCultureでソロで特集が組まれるは、シリーズ写真カテゴリーの入賞者たちがLens Cultureサイトでそれぞれソロで紹介されることを意味します。
LensCultureサイトの高い検索ランキング、サイトへのアクセス数などの各機能を使って、Lens Cultureが作品を継続的に披露し続けてくれます。
シングルかシリーズか、アーティスト・ステートメントとバイオを用意して実際に応募してみよう!
コンテスト応募の前に名前とメールアドレス、パスワードを登録
まずはLens Cultureサイトにアカウント登録しましょう。
Lens Cultureのトップページを開いたら、右端の”Subscribe(申込み)”をクリックしてください。
開くと、名前と苗字、メールアドレス、パスワードを入れるところがありますので、すべて記入します。
「私はロボットではありません」にカーソルを持っていくと、表示された名前のものをパズル写真の中から選ぶように言われます。例えば「信号機を選んでください」など。その場合には該当する写真を選びます。
それでOKなら、”Create Acount(アカウント作成)”をクリックします。
これで登録終了です。
もし、すでにアカウントがある方はここで”Sign in”が出ます。また、トップページでSubscribeの右にあるSign inから入ってください。
もし、ここから日本語でやりたいという方はインターネット検索アプリGoogleまたはSafariの右上で日本語に変更できます。
「日本語」に変更したら「アワードに応募」をクリックしましょう
第3章の「年間を通じてさまざまなコンテストが行われている。どんな分野の写真でもほとんど応募可能」の冒頭で、”Photography Awards”ページから日本語に変更する手順を説明しました。
日本語に変更すると、上記のようなページに変わります。
なので、『アワードに応募』というオレンジ色の囲みをクリックします。
すると、上記のような画面になります。
応募の種類は3種類あります。
⚫︎「シングル」は初回の応募で1点のみの無料
⚫︎「5点以上のシングル」はシングル作品で5点、あるいはそれ以上の点数のシングル作品の申込み(シリーズとしてではなく、個別のシングル作品です)
⚫︎「シリーズ」は上限10点までのシリーズ作品で、統一したテーマでグループになっている作品群です。
どれに応募するか、あらかじめ決めて写真も選んでおきましょう。
なお、「5点以上のシングル」と「シリーズ」に応募した場合に、オプションとしてプラス25ドルで作品のレビューをしてくれます。
これはSAMURAI FOTOのメンバーも受けましたが、かなり参考になる意見がフィードバックされるのでおすすめです。
写真は長辺1200〜2000ピクセル。最大10MB。タイトルと概要が必要
さて、3つの種類の中から選んだら、次は写真をアップしていきます。
「5点以上のシングル」カテゴリーを選んだ画面が上記です。
画像データは長辺が1200ピクセルから2000ピクセルまで。最大10MBのjpegとpng形式と書かれていますので、あらかじめ用意しておきましょう。
『クリックして写真を追加して下さい。』というオレンジ囲みをクリックすると、自分のデスクトップ画面が出て、そこからドラッグ&ドロップするかファイルの中から選ぶようになっています。
写真のアップロードがされると「写真のタイトル」と「写真の概要」を入れるようになっています。
日本語でもいいですが、できればGoogle 翻訳アプリかChatGPTなどで英訳して用意しておきましょう。
タイトルと1200字以内のアーティスト・ステートメント、バイオを入れる
写真のアップロードが終わると「情報の追加」という画面になります。
タイトルとステートメント(アーティスト・ステートメント)、バイオ(biography=プロフィール)を記入する欄が用意されています。
「任意」と書かれているので必須ではありませんが、絶対に入れておきましょう。そのほうが断然、有利です。
ステートメントとバイオはそれぞれ1200wordまで。タイトルも含め日本語でも入れられますが、写真のアップロードのタイトル同様に英語で用意しておきましょう。
ステートメント(アーティスト・ステートメント)の書き方については、こちらに書いてありますので、参考にしてみてください。
バイオというのはbiographyのことでプロフィールに当たります。
ただし、日本で一般的に書かれているような内容とは少し異なります。
何年にどこで生まれて、何年からどこに勤めてどんな仕事をしていたか、というのではありません。
「何年どこ生まれ」は入れていいですが、バイオは写真作家として、どのようなポリシーや哲学で作品を制作していて、どんなプロジェクトがあるかがメインになります。
略歴としてグループ展や個展、写真集出版歴などを書きます。
ここまで終わったら、「内容の確認」を最後にして、コンテスト参加費を払います。
これで終了です。
Lens Cultureフォトコンのまとめ ゲットできる特典と応募のために準備するもの
Lens Cultureそのものについてとフォトコンテストについておわかりいただけたでしょうか。
では、最後に「まとめ」で再確認してみてください。
まずは Lens Cultureのフォトコンテストで得られるベネフィットについてです。
応募しただけで得られる特典は4つあります。
⚫︎作品をすぐ披露できるチャンス
⚫︎国際的な写真コミュニティーと作品を共有
⚫︎高評価の写真家は”LensCulture discoveries”ページに自動的に掲載
⚫︎LensCultureポートフォリオアカウントがもらえて、作品発表のための個人ページが与えられる
さらに”Editors’ Picks”に選ばれれば、
⚫︎コンテスト期間中にLens Cultureの編集者がコンテストギャラリーやインスタグラム、FaceBookで作品を発表してくれる
”Jurors’ picks (審査員セレクト)”と”Finalist(ファイナリスト)”に選ばれれば、
⚫︎Lens Culture関係者への作品披露
⚫︎国際写真フェスティバルでの作品展示
⚫︎国際報道機関への作品披露
入賞者に選ばれればさらに
⚫︎賞金総額1万ドル
⚫︎ニューヨークでの展覧会
⚫︎LensCultureでソロで特集が組まれる
では、応募のために準備しておくものについてです。
写真の用意をします。
⚫︎1点のシングル、5点以上のシングルにするか10点までのシリーズにするか決める
⚫︎画像データは長辺が1200〜2000ピクセルまで。最大10MBのjpegまたはpng形式
⚫︎写真のタイトルと概要を英語で用意
テキスト関係で必要なものも英語で用意しておきます。
(必須ではありませんが、あったほうが有利に働きます)
⚫︎プロジェクト(シングル、シリーズとも)のタイトル
⚫︎ステートメント(アーティスト・ステートメント)1,200字まで
⚫︎バイオ(biography=プロフィール)1,200字まで
参加費の支払い用として
⚫︎クレジットカードまたは PayPal
実際の手順はこの上にある第5章でご確認ください。
さあ、あとは結果を待ちましょう!
でも、無料の応募以外なら、応募しただけでも、Lens Cultureサイトに自分の作品発表の場ができますから、海外デビューの一歩はもう踏み出したことになります。
Lens Cultureのほかのコンテストに応募してみるもよし。サイトにある無料ガイドをダウンロードしたり、過去のWinnerたちの作品を見るもよし。
せっかくアカウントをつくったのですから、どんどんLens Cultureから刺激をもらっていきましょう。
世界的な写真作家への道はもう始まったのですから……。
コメント