世界の森

必見!【巨木だらけの島へ行きたい人向け】巨樹密度NO.1のカナダ・バンクーバー島

バンクーバー島はベイスギ(レッドシーダー/Westan red cedar)やトウヒ(スプルース/Sitka spruce)、ベイマツ(ダグラスファー/Douglas fir)などがたくさん育つ巨樹の森が数多く存在します。日本ではあまり知られていないところばかりですが、歩くだけで癒される森です。

バンクーバー島の名前と巨木と森にまつわるエトセトラ

バンクーバー島はカナダの西海岸。メインランドにあるブリティッシュコロンビア州最大の都市バンクーバーの西隣の太平洋上に浮かぶ島です。

面積は32,134平方キロで、九州や台湾と同じくらいの大きさです。人口は29万人でブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアがあります。

北米には「バンクーバー」と名がつく場所がは3つもあるのを知っていますか?

さて、ここで目ざとい方はバンクーバー島とバンクーバー、同じ「バンクーバー」という名前が2つ出てきたことに気づかれたことでしょう。

じつは、アメリカのワシントン州にもう1つバンクーバーがあります。

そう、北米北西部には「バンクーバー」と名付けられているところは3つあります(ほかに通りの名前などがありますが……)。

・BC州バンクーバー市: City of Vancouver, BC
・バンクーバー島: Vancouver Island (ビクトリア、ナナイモなどの街がある大きな島)
・ワシントン州バンクーバー市: City of Vancouver, Washington(米国ワシントン州の街)

それぞれのバンクーバーは、18世紀後半アメリカ北西部を探検したイギリス海軍士官ジョージ・バンクーバー(George Vancouver)に由来します。

ちなみに最初にバンクーバーと名付けられたのはバンクーバー島で、最新はBC州のバンクーバーです。

その秘密を歴史とともにひも解いていきましょう!

バンクーバーについての豆知識

まず、ハドソンベイ会社がバンクーバー島とワシントン州のバンクーバーを名付け、イギリスとアメリカがそれを引き継ぎ、最後にカナダ太平洋鉄道(会社)がBC州バンクーバーを名付けたというわけです。

それにしても島や町の名付け親が会社なのは興味深いですね。そんな時代だったようです。

バンクーバー島周辺に巨樹の森がたくさんあるのは○○が流れてくるから

さて、もう一度、最初の地図をご覧ください。
バンクーバー島の北には「巨樹だらけの無人島」クイーンシャーロット諸島、南には「苔だらけの巨樹の森」ホー・レインフォレストがあります。
どちらもこのサイトにありますので、よかったらご覧ください。
★巨樹だらけの無人島クイーンシャーロット諸島
★苔だらけの巨樹の森ホー・レインフォレスト
BC州のバンクーバーにも「スタンレーパーク」や「ライトハウスパーク」など、巨樹が林立する森がたくさんあります。
では、なぜ、このエリアには巨樹が多いのでしょうか。
その答えを解くカギは黒潮にあります。
黒潮とは日本の太平洋側を南から北に流れ、房総半島沖を東に流れる暖流で日本海流とも呼ばれる日本を代表する海流です。
黒潮は北太平洋をぐるっと時計回りにまわる暖流の一部であることがわかります。
日本海流とも呼ばれる温かな黒潮は日本の東側を北上したあと、進路を変えてちょうどカナダ太平洋岸に流れ込みます。
黒潮が運んでくる暖かい空気のおかげでバンクーバー島などこのエリアは冬でも比較的暖かいのです。また黒潮は、たくさんの湿った空気も運んできます。これがコースト山脈やカスケード山脈にぶつかり、その西側に大量の雨を降らせます。
黒潮によってもたらされる暖かさと大量の雨が、カナダ太平洋岸などに「巨樹の森」を生み出してきたというわけです。
それだけでなく、コケの下がる潤んだレインフォレストが多いのも黒潮の賜物(たまもの)といえるでしょう。
ちなみに日本からカナダ西海岸へと流れる黒潮は日本の難破船も運びました。
江戸時代、尾張国の港から鳥羽に向かった宝順丸が難破しました。その船は太平洋を渡ってカナダ・バンクーバー島のすぐ南に漂着。3人の乗組員が助かりました。
そんな話がよく聞かれます。
東日本大震災の後、日本からのさまざまな漂流物がBC州沿岸に流れ着き、カナダの方々に迷惑をかけてしまったというニュースもありましたね。

バンクーバー島へ行くのにもっともいい方法は空路か陸路か、それとも海路?

日本からバンクーバー島へ行く場合にはBC州のバンクーバーからが一般的でしょう。

島ですから、空路か海路で行くことになります。

ただし、空路はオススメできません。

というのもバンクーバーもバンクーバー島も空港がダウンタウンから離れているからです。フライト時間は30分ですが、空港までと空港からの移動を含めると2時間以上かかります。

しかも、航空運賃は1人約100ドル以上になります。

現地の人がいちばん利用しているクルマ(レンタカー)でフェリーに乗るのがやはりベストです。

南西部のPortRenfrewに行くためナナイモのDukePointへ

ツワッセン(Tsawwassen)からデュークポイント(Duke Point)の場合、クルマとドライバーで57.5ドル、乗船券は18.5ドル(1人)です。料金は時期や便によって異なります。

予約なしでも早めに行って並んでいれば乗れますが、 週末などはサイトから事前予約しておくと安心。予約代は17ドルになります。

なお、予約する場合、予約時に全額支払いになります。変更する場合には5ドルの変更料がかかり、乗船4日前以降のキャンセル料は5ドル。3日以内〜出発前日の午前11時59分までは20ドルかかります。

2名で行く場合、クルマ1台とドライバー、乗船券1枚と予約料でほぼ航空運賃1名分(100ドル)になります。クルマ1台(ドライバー含む)にあと5名乗っても航空運賃2名分(200ドル)より安いです。飛行機だと6名分は600ドルですから断然、フェリーがお得です。

フェリーの乗船時間2時間を考えても絶対いいです。

大きなフェリーの中は3つの階があり、シートもたくさんありますし、パソコン用の机も用意されています。

カフェテリアやレストランも充実。さらにアウトドア用品から普段の服、お土産などが揃ったショップも入っています。

デッキからは美しい風景が見られますし、乗船時間はあっという間でした。

旅程が決まったら、ダイヤを見るためにもBCフェリーのサイトをチェックしておくといいでしょう。だいたい1時間に1本くらい運行しています。

バンクーバー周辺とバンクーバー島には以下のフェリーターミナルがあります。

バンクーバー側のターミナル : ツワッセン(Tsawwassen)、ホーシュベイ(Horseshe Bay)
バンクーバー島側のターミナル : スワルツベイ(Swart Bay/ビクトリア)、デュークポイント(Duke Point/ナナイモ)、デパーチャーベイ(Depature Bay/ナナイモ)

上記のような場所にフェリーターミナルがありますので、BCフェリーのサイトでご確認ください。

 

バンクーバー島にある巨樹の森の中から7つを厳選

では、バンクーバー島にあるオススメの巨樹の森について紹介していきます。

私たちが訪ねたのは島の南半分にある7つの森です。

バンクーバー島南部をナナイモからぐるっと一周するようなコースで訪ねたのは、

①アバター・グローブ
②サンファン・スプルース
③レッドクリーク・ファー
④カーマナ・ウォルブラン州立公園カーマナ・バレー・トレイル
⑤チーワットジュイアント・トレイル
⑥マクミラン州立公園カテドラル・グローブ
⑦レインフォレスト・トレイル

BCフェリーでナナイモ(Nanaimo)のデュークポイント・フェリーターミナルに到着後、ポート・レインフルーへ向かい、そこからアバター・グローブへと向かいました。

ポート・レンフルーは「巨樹の首都(Big Trees Capital)」とも呼ばれている小さな港町で、世界最大のダグラスファーやレッドクリーク・ファーや最近、カナダで2番目に大きいダグラスファー”Big Lonely Doug”も見つかりました。

伐採禁止になったばかりの原生林が多く存在し、今後も新しい巨樹が発見される可能性があるエリアです。

ダウンタウンからクルマで30〜40分で巨樹のある原生林へ行くことができます。

カナダで最もねじ曲がったレッドシーダーの巨樹がある有名なトレイル

バンクーバー島の巨樹の1本目として紹介するのは、「カナダで最もねじ曲がった木(Canada’s Gnarliest Tree)」です。

樹種はレッドシーダー(ベイスギ/Westan red cedar)です。

アメリカ・ワシントン州にあるオリンピック公園の中のホー・レインフォレストにもあった樹種です。

Canada's Gnarliest Tree(カナダで最もねじ曲がった木)
推定樹齢1,000年
樹高25m 
根周り12m

写真を見れば、確かに「ねじ曲がっている」と思われることでしょう。

レッドシーダーはこのように幹が部分的にねじれてコブのようになっている木が多いのですが、カナダでいちばんねじ曲がっていると名付けられたくらいですから相当にネジネジしています。

いちばん大きなネジネジ(コブ)は直径3メートル以上あります。

この巨樹はアバターグローブ(Avatar Grove)の森の中にあります。

アバター・グローブとは
バンクーバー島とブリティッシュ・コロンビア(BC)州最後の原生林を保護することに専念するAncient Forest Alliance(AFA)という団体があります。この団体は2009年に発見されたばかりのカナダ最大級の原生林アバター・グローブを皆伐の危機から救いました。そして、この森に人気のエコSF映画の名前をつけました。巨大な古木が立ち並ぶ貴重な場所であり、今では人気の観光スポットとなっています。

アバター・グローブにはアッパー・アバター・グローブ(Upper Avatar Grove)とロウワー・アバター・グローブ(Lower Avatar Grove)の2つのトレイルがあります。

アッパー・グローブのトレイルは往復で500メートル、標高差80メートル。ロウワー・グローブは650メートルのループで標高差は25メートルです。

木道や木の階段のあるところと土の上を歩くところがあります。

ただ、雨のときはどちらも滑りやすいので注意してください。

ぬかるんだり、雨ですべりやすいとき以外は、わかりやすく整備された遊歩道なので安心です。

2つのトレイルとも歩くだけなら15分程度なので、レッドシーダーやスプルース、ダグラスファーの巨樹を愛でながら、ゆっくりと撮影しつつ散歩しても物足りないくらいすぐに歩けてしまいます。

でも、巨樹の数は多いので、満足度はかなり高いはずです。

ここは周囲の森がクリアカット(皆伐)されるなか、10年ほど前にやっと伐採禁止にすることで残された貴重な森であり、カナダ最大級の原生林です。

温帯雨林であり、もともとのここの植生を学べる場所でもあります。

樹齢1,000年、樹高20メートル以上、幹周り10メートル以上の巨樹が林立しています。

気持ちよく伸びた木々が壮観な風景を見せてくれています。

ただ、いくつか注意点がありますので、下記を参考にしてください。

注  意  点
①夏は虫除けスプレーは必須
森なのでやはり、蚊の多い季節には虫除けスプレーや痒み止めを携帯してください。日本のものが効かないの場合もあるので、現地のスーパーなどで購入されるといいです。
②トレッキングシューズや長靴
ぬかるんでいたり傾斜があるので、用心のためにはトレッキングシューズがオススメです。雨のときなどは長靴でもいいですが、滑りやすいので気をつけてください。
③黒い物は着ないのが無難
森へ行くとき、黒い色の服を着ていてアブがたくさん寄ってきたことがありませんか?。髪の毛も黒いので刺されることがあります。アブの季節に行かなかったのでここにいるかどうかはわかりませんが、私は黒いパンツを履いていて蜂に刺されました。といっても、黒い服を着ていると蜂に刺されるわけではありません。蜂は攻撃されたと思ったときに黒いものに向かっていきます。私の場合は幹周りを測ろうと巣に近づき過ぎました(汗)。でも、用心のためには黒い服はやめておくほうがいいでしょう。
④ステロイド配合の皮膚治療薬
必須ではありませんが、アブとか蜂、変な虫に刺されたとき用にステロイド配合の治療薬を持っていると安心です。旅先で病院に行ったり、薬を調達するのはたいへんなので何かあったときのために……。
⑤四駆にスペアタイヤ、ガソリン満タンで
ポート・レンフルーやアバター・グローブ周辺は携帯電話の電波が届きません。ガソリンは満タンにしてスペアタイヤを持っていくことをオススメします。万が一、クルマのトラブルがあった場合にはクルマから離れずに待機していてください。未舗装路も多いので車高の低いクルマよりも四駆などのほうが適しています。

アバター・グローブへのアクセス
ポート・レンフルーからクルマで21分(北へ12キロ)。半分くらいは未舗装路になります。★詳しい行き方はancientforestalliance.org/を参考にしてください。

カナダ最大にして、世界第二位のスプルースの巨木がある森

カナダ最大のスプルースにして、世界で2番目に大きいスプルースともいわれている巨樹です。

San Juan Sitka Spruce (サン・ホアン・シトカ・スプルース) 
樹高61.5m 
幹周り11.5m 
樹冠の広がり22.5m

サンホアン川沿いにあり、サン・ホアン・リバー・キャンプサイトの中に育っています。

樹高は60メートル以上で樹冠の広がりも20メートルありますから、まさにそびえ立っているという感じで、見上げる巨大さです。

体積は333立方メートルで、電柱333本分の木材に相当します。スプルースは住宅材にも使われていますから、おそらく何10棟分もの建築材が取れることでしょう。

注  意  点
アバター・グローブとほとんど同じなので、そちらを参考にしてください。

サン・ホアン・リバー・キャンプサイトへのアクセス
ポート・レンフルーからクルマで27分(東へ22.3キロ)。後半は砂利道になります。★詳しい行き方はancientforestalliance.orgを参考にしてください。

世界最大のダグラスファーの巨木があるトレイル

世界最大のダグラスファー “Red Creek Fir” があるのは、サン・ホアン・シトカ・スプルースのさらに先です。

Red Creek Fir (レッド・クリーク・ファー)
 推定樹齢750〜1,000年以上
 樹高73.8m 
 幹周り13.8m

世界最大のベイマツの木というだけあって、樹高は70メートル以上あります。

当然ながら、頭頂部は見えません。ですが、幹のどっしりとした力強さから背の高さを想像することができるかもしれません。

この木は道路から10〜15分くらいトレイルを歩いたところにあります。

レッドクリーク・ファーにたどり着くまでの間には原生林の中を歩きます。

レインフォレストには巨大な古木が3本並んだところなどもあります。原始の森の森林浴を満喫してください。

注  意  点
アバター・グローブとほとんど同じなので、そちらを参考にしてください。

レッドクリーク・ファーへのアクセス
ポート・レンフルーからクルマで37分(東へ30キロ)。サン・ファン・リバー・キャンプサイトからレッドクリーク・ロード(Red Creek Rd)に入ります。トレイルの入り口には標識があります。★詳しい行き方はancientforestalliance.orgを参考にしてください。

あまり行く人がいない人里離れた原生林トレイルは穴場

このトレイルはカーマナ・ウォルブラン州立公園(Carmanah Walbran Provincial Park)の北西部にあるカーマナ・バレー・トレイル(Carmanah valley Trail)です。
バンクーバー島の南西海岸に位置するここに行くには以下の3つのコースがあります。

・ポート・レンフルーからは115キロ、クルマで3時間以上
・ポート アルバーニからは104キロ、クルマで2時間30分以上
・カウチン湖からは80キロ、クルマで2時間以上

じつはポート・レンフルーからは直線距離だと20キロほどなので、ポート・アルバーニに比べるととても近いと思われがちですが、クネクネとした峠道を回って行くためにいちばん時間がかかります。

カウチン湖は近いのですが、ここには貸別荘しかなくレストランもないに等しいので、ホテルやレストランが多いポート・アルバーニに宿泊して翌朝出発するのがオススメです。

場所はわかりやすいのですが、大部分は未舗装路(私有林道)。3時間近くを走っていくのでちょっと大変です。携帯電話の電波も届きませんし、公園から20キロ離れたニティナット(Nitinat)まで行かないとガソリン、食料、電話がないので注意してください。

でも、未舗装路に入るまでの最初の数10キロの道路脇は素晴らしいレインフォレストが続きます。

朝食を済ませてポートアルバーニを出発したら、ランチボックスを用意していって、途中のニティナト湖(Nitinat Lake)でランチタイムにするといいでしょう。景色がきれいなところです。

未舗装路はそんなにクルマに出会うことがありませんが、出会ったときには砂煙に取り巻かれます。

それでも、この公園は行く価値があります。たどり着けば誰もいない静かで美しい原生林だからです。

トレイルには途中途中に巨樹や原生林があります。

地図にはそれぞれまでの距離も記されていますので、歩けるところまで行って引き返してくるといいでしょう。

帰りも3時間かかることを考えて、暗くならないうちにポート・アルバーニに着けるように心がけてください。

では、それぞれの場所までの距離とどんな様子なのかを挙げてみましょう。駐車場に近いところからです。

コーストタワー(Coast Tower)/距離1.2キロ、20分
コーストタワーはスプルースの巨樹です。この巨木は1997年の冬の嵐で上部30メートルが吹き飛ばされるまで樹高が92メートルありました。このトレイルで最初に出会う大きなスプルースです。
ジャンクション(Junction)/距離1.3キロ、25分
登山道の分岐点です。上流または下流に向かうことができます。左折するとアッパー・バレー・トレイル(UpperValley Trail)に進み、右折するとヘブンツリーのある下流に向かいます。

スリー・シスターズ(The Tree Sisters)/ジャンクションから距離1.5キロ、40分
スリー・シスターズは印象的な3本のスプルースの巨樹でしたが、1本は2018年に倒れました。樹高は約80メートルあります。トレイルの木道はスリー・シスターズまでです。

ヘブンツリー(Heaven Tree)/ジャンクションから距離1キロ、30分
この印象的なシトカトウヒの樹高は約77メートル、幹周り3.5メートル。このトレイルで最も太いスプルースです。
ランディ・ストルトマン記念グローブ(Randy Stoltman Commemorative Grove)/ジャンクションから距離1.3キロ、50
この木立ちにあるスブルースは樹高75〜90メートルあります。これらの木々は光を求めて競い合い、高く伸びっているのがわかります。
グランツ・グローブ(Grunt’s Grove)/ジャンクションから距離4キロ、1.25時間
砂利道のキャンプ場に隣接した壮大なスプルースの林が見つかります。たくさんの若木が成長しているのも見られます。近くの小川に大きな倒木があります。
パラダイスプール(Parardise Pool)/ジャンクションから距離5.5キロ、2時間
パラダイスプールは透き通った小さな池です。ニジマスやときにはザリガニが生息しています。冷たい淡水を飲むためにやって来たクーガーの足跡が見られます。夏でも水温が低いので泳ぐのには向いていません
オーガスト・クリーク(August Creek Falls)/ジャンクションから距離7.5キロ、3.5時間
オーガスト・クリークは手つかずの小さな流れですが、カーマナに流れ込む最大の小川です。オーガストとカーマナ・クリークの合流点の下流の砂州でバックカントリーキャンプすることができます。トレイルの終点です。

ということで、ここには世界最大級のスプルースの巨樹が何本もあります。

樹高も90メートル近いものがあり、樹齢1,000年を越える古木もたくさんあります。

ただ、3時間のドライブで往復6時間の移動を考えると、上流はスリー・シスターズまで、下流はヘブンツリーまで行って戻るのがオススメです。

それだけでも普通に歩くだけで190分かかります。写真撮影していれば3.5時間以上になります。帰りの3時間のクルマ移動時間を考慮してスケジューリングしてください。

注  意  点
①夏は虫除けスプレーは必須
蚊の多い季節には虫除けスプレーや痒み止めを携帯してください。日本のものが効かないの場合もあるので、現地のスーパーなので購入されるといいです。
②トレッキングシューズや長靴
ぬかるんでいたり木道が濡れていると滑りやすいのでトレッキングシューズがオススメです。雨のときは長靴でもいいですが、滑りやすいので気をつけてください。
③ヘッドライト点灯とトラック優先
公園へは私有林道を経由してアクセスします。これらの道路は伐採トラックが頻繁に通行するため、移動する際には細心の注意を払う必要があります。粉塵や悪天候により視界が制限される可能性があるため、つねにヘッドライトを点灯してください。また、伐採トラックが走行の優先権を持っています。トラックに遭遇したら最も近い路肩に車を停めるよう心がけてください。
④スペアタイヤと救急セットを携行
未舗装路ではパンクしやすいのでスペアタイヤを積んでいてください。用心のため、ケガしたとき用に救急セットなども携行してください。
⑤携帯電話の電波は届きません
最寄りの緊急電話はディディダット保護区(the Didtidaht Reserve)にあります。緊急の場合はお問い合わせ先は BC(250-387-6121)、ポート・アルバーニかカウチン湖のRCMP(警察)、または911に電話してください。最寄りの病院はポート・アルバーニとダンカンにあります。
⑥GS、食料、電話、医療サービスなし
ガソリン、食料、宿泊施設、電話、医療サービスがありません。ガソリン、食料、電話サービスは公園から約 20 キロ離れたニティナットにあるディディダット・ネイション・センターDidtidaht Nation Centre lで利用できます。
⑦クマ除けを携行
クマの目撃情報が頻繁にあるためクマに注意してください。クマ除けの鈴、スプレーなどを携行してください。

カーマナ・バレー・トレイルへのアクセス
ポート・アルバーニからクルマで2時間18分(南へ103キロ)。カーマナ・ウォルブラン州立公園に行く手前になります。★詳しい行き方はbcparks.ca/carmanah-walbran-parkを参考にしてください。

辿り着くのが難しいけど巨樹だらけの最高の森

私たちがバンクーバー島の巨樹の旅で最も圧倒されたのが、このチーワット・ジャイアント・トレイル(Cheewat Giant Trail)でした。

このトレイルは往復2.1キロ、標高差56メートル。終着点はチーワット湖(Cheewat Lake)近くまでです。

難易度が高いと書いたのは、このトレイルの入り口がわかりにくかったからです。

カーマナ・バレー・トレイルの手前20キロあたりにあるだろうということはわかっていたのですが、それ以上はわからず、あとはバンクーバー島の巨樹写真家TJ WattさんのブログにあったトレイルヘッドのGPSコード48.70175 – 124.75104を頼りにしようと思っていました。

ところがアバター・グローブでもカーマナ・バレー・トレイルでもそうでしたが、ここは携帯電話がつながりません。だから、ロザンダー・メイン道路(Rosander Main Rd)を勘で進むしかありませんでした。

出発前にホテルなどWifiがつながるところで、Google Mapに緯度経度(48.70175 -124.75104)を入れて、スクリーンショットを取っておくかプリントアウトして持って行かれることをオススメします。

私たちは勘を頼りに進んで、何の看板も標識もないのでそろそろあきらめて引き返そうとクルマを止めたところで、古い木片が足元にあるのを偶然見つけることができました。

まさか、これがトレイルの入り口を示す標識だとは思えないほど小さかったですが、よく見ると、間違いありませんでした。

それにしても偶然とはいえ、ラッキーでした。

よく見ると、” Giant Cedar Grove, Cheewat Giant”と書かれていました。

行かれる方はロザンダー・メイン道路(Rosander Main Rd)に入って約10キロ地点の進行方向の右側にこれがありますので、付近に行ったらよく注意して探してみてください。

この入り口さえわかれば、あとは登山道のような道を行くだけです。

傾斜があるところにはつかまれるロープがあったり、日本の登山道のように道筋にはピンクのリボンがところどころにあります。それを頼りに歩いて行ってください。

整備されたトレイルではないこと、そして、入り口がわかりにくいのが難易度の高さです。

でも、それ以外はもう、巨樹マニアにはたまらなく素晴らしい森であることは間違いありません。

巨樹がゴロゴロあって、もう感動しっぱなしです。

カナダで3番目に大きいとされるレッドシーダーで、樹幅は5メートル以上ある巨木もありました。

巨樹だらけですが、ここも誰もいない森。

こんなすごいところなのにわかりにくいから訪れる人がいないのかもと思って歩いていると……、

お目当てのチーワット・ジャイアントにたどり着く前にとてもインパクトのあるレッドシーダーを見つけてしまいました。

アバター・グローブにあった「カナダで最もねじ曲がった木(Canada’s Gnarlist tree)」にも劣らない巨樹。こちらもかなりねじれていて大迫力。幹周りは12メートル以上ありました。

トレイルは切り株更新している木がある二次林から始まり、原生林になります。原生林になると緑が美しい巨樹天国です。

人があまりに訪れることがないせいか、空気も本当に新鮮でした。

Cheewat Giant (チーワット・ジャイアント) 
 推定樹齢1,000年
 樹高55.5m 
 幹周り18.5m

そして、さらに歩いたところでチーワット・ジャイアントを見つけました。

カナダ最大のレッドシーダーにして、世界最大のレッドシーダーです。

かつてはこの木は世界では2番目に大きなレッドシーダーでした。アメリカのオリンピック国立公園の中にあるクノートル・レインフォレストにあるQuinault Lake Cedarが倒れたので、現在は世界一大きいレッドシーダーになりました。

つまり、この森には世界一にしてカナダ最大のレッドシーダーのほか、カナダで3番目、4番目のレッドシーダーが育っています。それらと同じクラスの巨樹がたくさん生きています。

地元の方もあまり行かないような森なので、ここは超オオスメの穴場です。原生林の中でたくさんの巨樹を見たい方はぜひ訪れてみてください。

注  意  点
前述のカーマナ・バレー・トレイルとほとんど同じですので、そちらを参考にしてください。
チーワット・ジャイアント・トレイルへのアクセス
ポート・アルバーニからクルマで2時間3分(南へ93.8キロ)。カーマナ・バレー・トレイルの20キロほど手前になります。同じロザンダー・メイン道路(Rosander Main Rd)添いにあります。★詳しい行き方はwww.alltrails.comを参考にしてください。

大聖堂のような古くからの原生林トレイルへ

この森はマクミラン公園(MacMillan Park)の中のカテドラル・グローブ(Cathedral Grove)にあります。

樹齢800年を越えるダグラスファー(ペイツガ)の古い原生林で、ダグラスファーの巨樹が教会の大聖堂のように林立しています。

アメリカやカナダでは休日に家族で、巨樹のある森へ行くことが多いですが、ここはそんな森の1つでとても行きやすいです。

トレイルは2つあり、ハイウェイ4号線の両側(北側と南側)にあります。公園の規模が小さく、アクセスしやすいことから観光客が多く訪れているようです。

南側のトレイルには幹周り9メートルの最大のダグラスファーがあります。

北側のトレイルにはレッドシーダーの古い木立ちがあり、トレイルはキャメロン湖へと続いています。

また、このトレイルには森や木について詳しく書かれた説明板がたくさん立っています。

森の成り立ちや生態系についても学べるので、お子さん連れのときは説明しやすいですし、大人も色々と知ることができて楽しいです。

トレイルを歩いていると新しくなった木道や、倒木を見かけることも多いでしょう。

これは1997年の激しい暴風雨による跡です。

この嵐で何100本もの木が倒れてしまって、森自体も激変したとパンフレットに書かれていました。

修復されている木道もありますが、まだ修復できていない箇所もあります。

それでも、駐車場からすぐに原生林に行ける場所はそうそうありません。湿気のあるレインフォレストは癒しを十分に与えてくれます。

手軽に行ける安心な場所で、森や巨樹、レッドシーダーやダグラスファーについての見識も深まります。

地元バンクーバー島、カナダだけでなく、世界中から観光客が訪れる観光地なので、ある意味、とても安全です。

トレイルは歩くだけなら15〜25分くらいですが、説明板を見ながら、ゆっくりと森について知る散策をするのがオススメです。

注  意  点
①夏は虫除けスプレーは必須
蚊の多い季節には虫除けスプレーや痒み止めを携帯してください。日本のものが効かないの場合もあるので、現地のスーパーなどで購入されるといいです。
②トレッキングシューズがオススメ
ぬかるんでいたり、木道が濡れていて滑りやすいときはトレッキングシューズがオススメです。雨のときなどは長靴でもいいですが、滑りやすいので気をつけてください。
③公園内は禁煙
どこの森でも当たり前に禁煙ですが、ここは観光地のように多くの人が訪れているのでつい喫煙してもいいとう気持ちになるかもしれませんが、ここももちろん禁煙です。
④ペットはリードにつなぐ
もし、ペットを連れて行かれるとき、必ずリードにつないでください。
⑤暑いときは水を携帯
夏の暑い時期やノドが乾きやすい人はペットボトルの水などを携帯もしてください。園内に売店はありません。

カテドラル・グローブへのアクセス
ポート・アルバーニからクルマで28分(北東へ19.4キロ)。駐車場あり。★詳しい行き方はbcparks-ca.translate.goog/macmillan-parkを参考にしてください。

美しい温帯雨林を上から展望できるトレイル

このトレイルはポートレンフルー(Port Renfrew)からトフィーノ(Tofino)にかけて広がる巨大な公園「パシフィック・リム国立公園(Pacific Rim National Park)」の中にあります。

バンクーバー島の西海岸にあるトフイーノは風光明媚なビーチリゾートです。サーファーの聖地であり、30キロ続く美しい海岸線が有名です。

そんな海岸線沿いにあるのがこのレインフォレスト・トレイルです。

ここもハイウェイをはさんで2つのトレイルがあります。

トレイルAとトレイルBは距離が2キロ、歩いて30分のコースになります。

トレイルはよく整備されていて、ほとんどが木道です。

その木道のゆるやかな階段を登っていくと、そこからレインフォレストの美しい眺めを見下ろすことができます。

あまり見ることができない上からの森の景色は最高です。少しだけビーチの風も感じられます。

アクセスしやすく歩きやすいので、このトレイルもマクミラン公園のカテドラル・グローブのように多くの人が常時訪れています。

美しい海岸線を眺めながら、高級ビーチリゾートのトフィーノへ向かう途中で立ち寄る人も多いようです。

巨樹からはコケが垂れ下がって、とても涼しげな温帯雨林地帯。

ハイウェイのすぐ近くにこんな本格的なレインフォレストがあるなんて、ちょっと信じられない感じです。

でも、名前の通り。正真正銘のレインフォレスト・トレイルでした。

トレイルBにはこんな巨樹もありました。

樹齢1,000年以上の巨樹です。

このトレイルにもカテドラル・グローブのように森と木についての説明板が充実していますので、カナダのレインフォレストについてたくさん学べると思います。

注  意  点
前述のカテドラル・グローブとほとんど同じですので、そちらを参考にしてください。

レインフォレスト・トレイルへのアクセス
トフィーノからクルマで24分。パシフィック・リム・ハイウェイ4号線(Pacific Rim Hwy/BC-4 E)経由で南東へ23.7キロ。駐車場あり。

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